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Channel: 大高 博幸 –美的.com
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大高博幸の美的.com通信(143) 腫れてタラコ唇に!! アトランダムQ&A No.11

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Q 最近、某社のクレンジングオイルを使用したところ、唇に水ぶくれができて腫れてしまい、病院で軟膏をもらって治療しています。これまでにも、そのブランドではありませんが、肌に合わないなぁと思う化粧品はありました。でも、ここまで ひどくなったのは初めてです。そこで大高さんに質問があります。「製品のお試しで肌に不調をきたしたコトもある」と記事で読みましたが、そういう時は どうなさっていましたか? 私は正直、今は化粧品を使うのが怖いです。特にトラブルの原因となったクレンジングオイルは、また ひどくならないかと、ドキドキしながら使っています。対処法など教えていただきたく、お願いいたします。(腫れてタラコ唇。27歳)

A 「唇に水ぶくれ」だなんて、食事や歯磨きや会話はモチロン、黙っているのさえツラかったでしょうね…。でも、まず第1に お伝えしたいのは、「そのクレンジングオイルの使用は中止すべき」というコトです。「また ひどくならないかと、ドキドキしながら使っている」なんて、絶対によくありません。恐る恐る使う化粧品に美容効果はありませんし、むしろマイナスに働きます。水ぶくれが再発する可能性も高いので、使用は避けましょう。ついでにアドバイスしておきますが、治る段階で唇に皮ムケが起きても、引きはがしたりは決してせず、自然に取れるまで いじらないようにしてください(無理に むいたりすると、あとで その部分にシミや段差が生じたりする場合が多々あるからです)。

僕の肌トラブル(“不調”ではなく、本当の肌トラブル)の話ですが、フリーになってからの15年間に少くとも6回は経験しました。そのうちの5回はクレンジングオイルのお試しで、肌にのばして数秒後に起きています。まずチクッという刺激と赤みが、その直後にはカユみが出て、すぐに洗い流しても、タコの吸盤のような状態にプクッと盛り上ってくるのです(5回とも、頬のトップの上部が、最もひどく盛り上がりました)。それは少しずつ治まって、4日後には見た目にも回復するのですが、最初の時は数日後に写真撮影の仕事が控えていたコトもあり、横浜の皮膚科の野村有子先生の病院まで行って、薬を出していただきました。それは藤沢薬品のチューブ入りの軟膏で、よく効きましたよ。薬品名は、ちょっと想い出せない…。

残る1回は5年程前のコトで、それはもう、予想外の出来事でした。何十年も真面目に続けてきたスキンケアの努力が、一瞬で水の泡になったと言ってもオーバーではない、実に深刻なトラブルでした。某社の角質除去ローションで、「毎日使用可。モスト・センシティブスキンにも目のまわりにもOKな、ベリー・ジェントルな処方」という謳い文句の新製品…。コットンに含ませて、額・鼻すじ・口のまわり・頬まで拭いた瞬間、「アレッ?」と思ったのです。今まで感じたコトのない違和感が肌に走りました。上質なコットンを使用していたし、最もデリケートな目のまわりを拭く一歩手前だったコトは不幸中の幸いでしたが、拭いた部分の皮膚が毛羽立って、バサバサに干からびたようになっていたのです。カーッとする熱さを感じたのはショックのせいだったかも知れませんが、まるで「皮を むかれた因幡の白うさぎ」状態…。すぐに水で繰り返し丁寧に洗い、さらに鎮静と保湿を繰り返しましたが、「焼け石に水」といった感じで、本来の肌の感触には戻りませんでした。バリア機能と保湿機能が、ほとんど損なわれたようでした(あとで考えて、「あのテスターは、原液を希釈する工程にミスがあった“不完全品”だったのでは?」とも思いました)。
その週は、締切りの迫った原稿書きの仕事があったので、病院へは行けませんでした。トラブルは少しづつ、本当に少しづつながら次第に治まって行きましたが、10日めに泡洗顔をしてみたところ、トラブル発生直後の肌状態に逆戻りしてしまったため、トラブルの深刻さを改めて痛感しましたね。しかし、4ヶ月後から、2週間に1度の割合で そっと泡洗顔するという方法を採り、徐々に肌内部まで回復してきているんだと感じられるようになりました。コレは、自分の肌の回復力とスキンケアの底力とを信じ続けた結果です(現在では、週に2回程度、ソフトに泡洗顔をしています)。
トラブルが最も ひどかった口のまわりには、今でもキメの乱れが感じられます。
トラブルが最も 少なくて済んだのは、鼻すじ、次いで額でした。
(この話から、パーツによって肌の強さ・弱さに差があるコトが おわかりかと思います。)

余談ですが、今でも鮮明に記憶しているのは、トラブルの発生から約4週間後に『美的』のベストバイの選考会へ出向いた日…。顔には美容オイルをなじませてトラブルが目立たないようにしていましたが、編集担当のAさんが僕の頬に触れた瞬間、「えーっ!大高先生の肌じゃないみたい!」と叫ぶように言ったコトです。さらにベツの取材の 担当者Sさんからは、「メーカー側に慰謝料を請求すべきでは?」と真剣な顔で言われたコトも…(僕は そうは考えませんでしたけれど)。その頃は、お試しに対して かなり神経質になりましたし、「もしも、このボトルの中に、塩酸でも入っていたら、どうなるの?」と、ホンの一瞬でしたが考えたりもしましたね…。

現在、手元に塗り薬の用意はありません(腫れてタラコ唇さんの文を読んだら、「また用意しておくほうが いいかな…」と、ちょっと考えてしまいましたけれど)。“不調”程度であれば愛用のスキンケアアイテムで改善できますし、少しでも危険を感じる製品は、まず手の甲で そっと試すor試さずにスルーするという方法を採っています。また、そういう製品は、モニターさんの前には、決して出さないようにしています。

僕にとってのベストなクレンジング法? コストパフォーマンスが高くなりますが、本来 美容オイルとして愛用している レセラ ムーンピーチ サーキュレイト オイルでクレンジングし、ローションで拭き取るのがベストです。本当はこの方法で ずーっと続けていきたいところです。
洗い流せるクレンジングオイルならば、W洗顔不要のハーバー研究所 ミクロフォースクレンジングが僕にとって、今のところベストです。
長くなってしまいましたが、参考にしていただければ幸いです。こんな話ができるのは、『美的.com』だけですよね…。では!!

 

 

 

 

 

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ビューティ エキスパート
大高 博幸 

1948年生まれ、美容業界歴46年。24歳の時、日本人として初めて、パリコレでメークを担当。『美的』本誌では創刊以来の連載「今月のおすすめ:大高博幸さんが選ぶベストバイ」を執筆。
■大高博幸の美的.com通信 http://www.biteki.com/article_category/ohtaka/


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